車庫は営業所と併設されていること
運送業において車庫は原則営業所と併設されていることが求められています。
しかし静岡県の場合は車庫と営業所を直線距離で結んで10キロ圏内であればよしとされています。
※他県の場合は異なるケースがあるので詳細はお問合せ下さい。
農地法に違反しないこと
運送業許可の記事を見ているとたびたび農地法・都市計画法・建築基準法といった法律を目にすることがあるかと思います。
車庫選びに関しては特に農地法に注意する必要があります。
駐車場の地目が農地であった場合
一般的に駐車場として賃貸に出されるような土地は土地登記簿上の地目が【雑種地】となっているはずです。
ただ稀に駐車所として借りたはずの土地の地目が【農地】や【畑】となっているケースがあります。
この場合は農地を農地以外の方法で利用する為の農地法許可が必要になります。そしてこの手続きを農地転用といいます。
農地転用は許可と届出の種類があり次のような区分で分けられています。
市街化区域→農地転用の届出
市街化調整区域→農地転用の許可
届出あれば比較的簡単に手続きが終わりますが、市街化調整区域で農地転用の許可が必要な場合2ヵ月程度の期間が必要です。
また農地転用の手続の後に法務局へ地目変更の登記が必要となります。
従って車庫を借りる前に農地転用が済んでいることと地目が【雑種地】となっていることを必ず確認するようにしましょう。
適切な使用権原があること
運送業許可においては車庫に適切な使用権原があることを証明する必要があります。
次の方法で証明が可能です。
ポイント
- 賃貸の場合…契約期間が2年以上又は2年未満の場合は、賃貸借契約書に期間満了後は「自動更新」の旨の記載があること
- 自己所有…土地登記簿謄本上の所有者が申請者であること
駐車場が車両に見合った適切な広さがあること
当たり前ですが駐車場には運送事業で使用する車両を止めるスペースがある必要があります。
運送業においては駐車場の面積が車両の面積の90%を下回る場合は許可が下りません。
その為車庫は車両に見合った適切な広さがあることを求められます。
参考に車両ごとの面積を一覧にしておきます。
車両の大きさ | 面積 |
7.5tを超えるもの | 1台につき約38㎡以上 |
2tロング越えるもの~7.5tまで | 1台につき約28㎡以上 |
2tロング | 1台につき約20㎡以上 |
2tまで | 1台につき約15㎡以上 |
運送業許可|車両の要件の要件でも記載した通り運送業許可においては最低でも5台の車両が必要です。
例えば2tトラックであれば15㎡×5=75㎡の面積を有するので車庫の面積は約85㎡(車両面積の90%)は必要になります。
この点に関しては注意しておかないとせっかく借りた駐車場では許可が下りないことになるので予め念頭に置いておきましょう。
補足|出入口の幅が適切である必要がある
車庫の出入り口にあたる全面道路は車両制限令に応じて適切な幅員があることが求められます。
簡単に説明すると車両の大きさに応じた道路幅を確保しないといけないということですね。
また前面道路が適切は幅員があることが分かってもそれを証明する【道路幅員証明書】を取得しなければいけません。
補足
前面道路が国道の場合は道路幅員証明は不要です。
まとめ
最後に駐車場(車庫)の要件をまとておきます。
まとめ
- 原則車庫は営業所と併設されていること
- 農地法に違反しないこと
- 適切な使用権原があること
- 駐車場が車両に見合った適切な広さがあること
運送業許可において車庫選びは欠かすことができません。
しかし本記事でご紹介した通り細かな要件があるので選択に失敗することもあるかと思います。
車庫選びに失敗するとそれまでに要した時間だけでなく契約金や賃料も無駄にすることになりかねません。
ご自身で不安があるようであれば弊所までご相談頂けばその車庫が【運送業許可の要件に合致】するものなのか調査致します。
是非お気軽にご相談下さいませ。